ブックフェア - サン=ジェルヴェ=ラ=フォレ 2018

児童書フェア - サン=ジェルヴェ=ラ=フォレ 2018

ブックフェア : ワークショップ・サイン会 | 2018年3月 | サン=ジェルヴェ=ラ=フォレ (フランス・ロワール)

ブックフェア - サン・ジェルヴェ=ラ=フォレ 2018

サイト:Salon du livre jeunesse à St-Gervais-La-Forêt

map St-Gervais-La-Foret

2018年3月、フランス中部ロワール地方サン=ジェルヴェ=ラ=フォレでおこなわれた児童書フェアに参加しました。 ロワールといえば、中世の時代にロワール渓谷流域に建てられた数々の城をめぐる「ロワールの古城めぐり」で知られており、パリからは電車で2時間ほど。 ブックフェアの開かれたサン=ジェルヴェ=ラ=フォレは、古城めぐりの出発地点として紹介されることの多いブロワの隣町です。 そんな風光明媚な地域で開かれるこのフェアは、意外にも今回まだ3度目の開催とのことでしたが、 主催者の一人コリーヌからの熱心なお誘いメールに心を打たれて快諾。出発の日を楽しみにしていました。

一般的なブックフェアと同じように、まずは水曜午後に現地入り。 絵本や児童文学の作家、イラストレーターが40名ほど招待されており、 中には過去のフェアで知り合った作家の顔もありました。 念願のコリーヌや主催者たちとの初対面も果たし、 その晩の食事会ですっかり打ち解けてしまうのも、 児童書でつながる人たちならではです。

翌朝からの2日間は、作家がそれぞれ準備したアクティビティを ブロワ市内や近郊の学校や幼稚園で開催します。 私は2日間で2つの幼稚園に行き、いつものように年少組と年中組には「どうぶつのおとしものを見つけよう!」デッサンとぬり絵のカードづくり、 年長組には「リーム(ライム、韻)を使ってカードをつくろう」のワークショップをおこないました。
2つの幼稚園をおとずれておどろいたのは、この日のためにしっかり準備をしてくれていたことです。 私のなまえをビーズや羽などでデコレーションしたプレートがかざってあったり(写真の左下)、 どのクラスも先生が私の絵本をよく読み聞かせしてくれたようで、 子どもたちが丸暗記するほど物語を覚えてくれていたり。 そしてうれしかったのは、2日目にお邪魔した幼稚園で、 一日の終わりに子どもたちが全員ホールに集まって、合唱を披露してくれたこと!! 私のなまえを入れた歌まであり、大感激してしまいました。 (そのあと全員で記念撮影したのが右下の写真です)

土日の合同サイン会もびっくりすることばかりでした。 まず、木曜と金曜におとずれた幼稚園や学校の子どもたちが、 私たち作家の本をテーマにした作品を内緒で制作してくれていて、 サイン会場の展示室に展示してくれていたこと。 私がワークショップをおこなった幼稚園の子どもたちも、 どうぶつの落としものやことばあそびなど私の絵本をヒントにした かわいらしい「なぞなぞの箱」を作ってくれていました(写真の右上2枚)。 それから、サイン会場は連日朝から大盛況で、 どの作家もサインの手が止まらないほど。 ワークショップをおこなった幼稚園の先生や子どもたちが たくさん来てくれたのもうれしい驚きでした。

また、おたのしみもたくさんあったこのブックフェア。 毎晩ワークショップのあと、作家のためにブロワ市内をめぐるガイド付きツアーが用意されていて、 ブロワ城や旧市街、名物のマジック博物館などを観光できてしまったので、みんな大よろこび。 仕事なのに半分ヴァカンスみたいな5日間で、おかげで作家同士とても親しくなりました。

主催者のみなさんの、私たち作家への気づかいと 「楽しんでもらいたい」というおもてなしのきもちが とてもうれしかったフェアでした。 思えば、最初に受け取った招待メールから誠意と熱意にあふれていて、 その印象がフェアの期間中もずっと続きました。 最終日には離れがたくなってしまったほどです。 もしもまた招待メールが届いたら、大よろこびで参加させていただきます!